「伊豆オープンガーデン」と地域イベント

 伊豆ガーデニングクラブ会員でペンション経営の◯◯さんから、来春実施される地域イベント「グrーンフェア in 伊豆高原」へ「伊豆オープンガーデン」として参加するよう誘われました。
 結論としてお断りしたのですが、そのレターをここに掲示します。今後もいろんなお誘いがあると予想されますが、これが基本的な考えです。

 

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◯◯ 様

98/11/14

伊豆ガーデニングクラブ・事務局 森下

 

拝復

 伊豆オープンガーデン参加の記入票と、伊豆オープンガーデンとして「グリーンフェア in 伊豆高原」へ参画して欲しいとのご提案を受け取りました。

 

 伊豆ガーデニングクラブはまったくゆるやかな同好のクラブであり、きちんとした規約も意思決定機関もありませんが、事務局森下として次の通りお答え致します。

 

1、歓迎

  ◯◯様の伊豆オープンガーデン参加を歓迎致します。◯◯様にはかねて地域の美化等にご尽力されており、オープンガーデンにもご造詣が深いことと存じます。どうか伊豆オープンガーデンの有力なリーダーとして活躍して頂きたいと思います。

 

2、「グリーンフェア in 伊豆高原」への対応

 1)伊豆オープンガーデンの現状

   オープンガーデンとはいかなるものか、会員の誰もがその実態を知らないのが実情です。今年、会員の河合様にイギリス・オー プンガーデン事情を視察してきて頂いてお話しを聞いたりしていますが、イギリス事情がそのまま日本で通用するものではありません。また国内でも、花作り、 花いっぱい運動は多くありますが、地域として「オープンガーデン」と銘打った運動はまだ知りません。参加する会員は先人の通ったことのない道を進みつつあ ります。

   従って伊豆オープンガーデンに参加しようとしている会員も、オープンしてどうなるのか、不安を抱えている方が多いのです。 これまでの日本の観念では、庭は外部から閉ざされ保護された私的空間でした。そこを公開しようというのですから大きなパラダイムの転換が必要です。

   これから経験を重ね、また各地でも同様の動きが出てくれば、おのずと日本流オープンガーデンの形態も定まってきましょうが、まだまだ不安いっぱい、手探り状態なのが現状です。

 2)「グリーンフェア in 伊豆高原」参画について

   ご提案の骨子は「同フェアの趣旨に賛同し、オープンガーデン活動としてパンフレットにも載せて参加して欲しい。」ということだと思います。

   結論から先に述べれば、「伊豆オープンガーデンの趣旨、目的とやや違う。」という感じが致します。

   企画書によれば、「実行委員会として地域の観光施設の皆様にお願いしたいことは・・・(中略)地域を上げての一大集客イベ ントであり・・・」とあります。この部分に違和感があります。伊豆オープンガーデン参加の殆どの会員に、「観光施設」の意識はまったくありません。花を愛 する多くの人と交流を拡げたい、深めたい、多くの人に花を見てもらいたいとの気持ちはありますが、観光の対象とは考えていないのです。ガーデンは景色では ありません。

   もとより「伊豆オープンガーデン」の目的の一つに「地域への貢献」があり、また単に個人同士のお庭拝見ではなく「伊豆オー プンガーデン」と名前を付けての活動とするからには、それなりに社会的な繋がりが発生し、動きを伴うことは承知しています。敢えて「伊豆オープンガーデ ン」とするのは、お互いに垣根をはらって人間同士の交流の輪を拡げようとの思想の表明です。しかし「伊豆オープンガーデン」が観光施設となることは将来に わたってあり得ません。

 3)結論

   ◯◯様が「伊豆オープンガーデン」の一員としてオープンガーデンしていること、またそんな仲間が伊豆に多勢居ることを書いたり知らせたりすことは一向に構いません。WEB SITEに載せることも構いません。しかし「伊豆オープンガーデン」が組織として集客イベントに参加することは致しません。

 

 以上、ご理解頂ければ幸いです。